「海鳥を観 察する」と言うと,外洋を航行する船上からの観察・・・とイメージするかもしれません。
そうした定期航路船などから観察したことのある方なら,あっと言 う間に通り過ぎてしまう海鳥を見て,「もっとじっくり見たいのに・・・」と思ったことも多いでしょう。特に識別ポイントをじっくり見たい体の小さなウミス ズメ類やウミツバメ類などになると,波からくる船体の揺れやエンジンからくる振動も手伝って,何だか特定できないまま通り過ぎてしまい,欲求不満が募るこ ともあると思います。ところが,海岸からの観察では高倍率の望遠鏡であれば,それらの鳥も視界から消えるまで,識別ポイントや採食行動などじっくり観察で きます。船に弱い方にも安心だし,飽きなければ日の出から日没まで,お金がなくても時間があれば毎日でも観察できるというのが魅力です。ただし,肉眼では 見えないような岸から約300m以上離れた海上を通過することも多く,常に双眼鏡か望遠鏡をのぞいて監視しなくてはいけなかったりして根気強さも必要で す。しかし,ウミスズメやトウゾクカモメ,時にアホウドリ類など,普段見慣れない海鳥たちが海原を飛んでいくその瞬間に出会えたなら,きっと大きな感動を 与えてくれるでしょう。
城ヶ島の磯から観察する