岸から海上の鳥たちを観察するにはやはり高倍率の望遠鏡が必要です。城ヶ島の場合では肉眼で発見できるような岸に近いところを飛ぶことはあまり多くありま せん。そうした海鳥を発見するにはまず、10倍程度の双眼鏡で常に海上を注視し、見つけ次第、望遠鏡に切り替えます。望遠鏡に20-60倍程度のズーム式 の接眼レンズをつけていれば観察中にズームアップして特徴など仔細を見ることもできます。別な方法では、最初から30倍程度(視野の広いワイドタイプがよ い)の望遠鏡で海上を注視し、見つけ次第そのまま追従して観察するという方法があります。それには望遠鏡を支えるしっかりした三脚も必要です。海岸は風が 強いことも多く、高倍率にしてもブレないようにするには持ち運びに支障ない程度に重い三脚がいいでしょう。観察中は水平方向にパンすることが多いので、三 脚の雲台にはビデオ用のものがスムーズに動き快適です。いずれにしても、目標物の少ない海原で海鳥を視野にとらえるには練習とともに機器の操作に十分慣れ ておく必要があるでしょう。ほかでは長時間観察する場合には、折りたたみが可能な小型のイスがあると断然楽です。とは言っても、ずっと海原を注視している のはなんとも根気のいることです。また、たとえばたくさんのオオミズナギドリが飛ぶ中にトウゾクカモメが混じっていないか探すのはまるで新しい動体視力検 査かのようです。観察するに当たっては万全な体調で望むことが必要かもしれません。