観察時刻 | 08:00:00 – 15:00:00 | 観察者 | 0名 |
天候 | 不明 | 気温/気圧 | ℃ – ℃ / hpa |
視程 | km | 波高 | m |
風向 | 北 – 北 | 風力 | 13 – 13 |
本日の集計
種名 | 学名 | カウント |
コメント
【ニュース】油曝したカンムリウミスズメ ~
城ヶ島沖の海鳥観察グループが2013年3月20日に実施した船上調査において、重油のような油が体中に付着した状態【油曝(ゆばく)という】のカンムリウミスズメが1羽観察・撮影されました。場所は、神奈川県三浦市城ヶ島の西約2kmの海上。本種の成鳥はこの季節だと後頭部と喉が白く目立ちますが、その部分が油のため黒褐色に変色していました。全身を油曝した鳥は、普通、羽毛の撥水(はっすい)効果が損なわれ、冷たい海水がじかに体に触れることなどにより、衰弱し死に至るケースがあります。
一度羽毛に付着した油は容易に取れないため、観察した個体もこのままではいずれ死亡してしまうことが予想されました。そのため、保護を試みましたが潜水して逃げたため深追いは諦めました。
同日の調査では海面に重油やオイル状の物は確認できず、この個体はどの海域で油曝したかは不明です。当日、本種は全部で17個体が観察されましたが、油曝が確認できたのはこの1個体だけでした。しかし、本種は潮目沿いに集まって採食する習性があるため、潮目で油曝したとするとほかの個体でも油曝している可能性があります。また、潮目で採食するほかの海鳥類(同じウミスズメ科のウミスズメやウトウ、ヒレアシシギ類やカモメ類など)でも同様に懸念されます。
カンムリウミスズメは環境省のRDBで絶滅危惧Ⅱ類の指定を受けており、絶滅が心配されています。我々人間活動によって彼らの生活を脅かすことのないよう配慮が求められます。(城ヶ島沖の海鳥観察グループ)
「油曝したカンムリウミスズメ(撮影:小田谷嘉弥)」
(三鳥連)